よくある相談とそれに対する私なりの回答

【ご注意】
 ここに記されている回答は、医療関連の資格などを全く持たない素人の私がほんのわずかな経験とほんの数冊の文献を参考にしてまとめたものでしかありません。
 従って、このページのみならず、当サイト内の全ての掲載記事・コラム等を利用することにより生じたいかなる損失・損害等に関しては一切責任を負いかねます。
 あくまで、ご自身の責任と判断に基づいてご参考として戴くようよろしくお願い致します。




 まだ未完の部分も多いですが、完成するまでずっとオープンしないのも良くないと思い、できたところまでで公開して参ります。



1.発病当初、急性期に関すること



  1. 近親の者が急に病に倒れました。とても心配で、この先どうなるのか不安です。

  2. 近親の者が脳梗塞で倒れました。この先、どういうことを覚悟し、我々としては、何をして置けば良いのでしょうか。

  3. 離れて住んでいる近親が倒れました。そばについていられなくて申し訳なく思うのですが、どうしようもありません。




よくある相談とそれに対する私なりの回答

1-1.近親の者が急に病に倒れました。とても心配で、この先どうなるのか不安です。

 皆様よりも先に「患者を見守る家族を経験した」一人として、アドバイスさせて戴けるのなら、次の書籍を読まれたら何か参考になるのではと思います。
 というのは、心配や不安の原因は、近い将来の見通しが立たない(推測するにもそのための情報が不十分である)からだと思うからです。そして、そういった情報を収集するにはその道の専門家の著書を利用するのが賢明かと思われるからです。
 例えば、脳梗塞の場合について挙げると、次の一冊が私にとっては、役に立ちました。

1.栗本慎一郎の「脳梗塞になったらあなたはどうする」
  --- 予防・闘病・完全復活のガイド ---
   栗本慎一郎著 (たちばな出版) ISBN 4-8133-1238-1

 脳梗塞にまつわる一連の諸問題について記された一般者レベルの解説書です。
病気に関する知識不足から来る苦悩をいくらか解消できるかもしれません。
 この本は、誤字が多かったりして読みづらいところもありますが、読み終わるまでそんなに時間はかからないと思います。

 また、他の病気も含めて、メンタル面での支えとなったのは、次の一冊を初めとした飯田史彦氏の著作でした。

2.CD付き[新版]生きがいの本質
  --- いつまでも、いつでも一緒 ---
  飯田史彦著 (PHP研究所) ISBN 4-569-63655-1

 病気に悩む人々とそのご家族に勇気を与えてくれる飯田氏の「いきがい論(発想法)」は必読の価値ありです。私はこの本のお陰で当時少しは落ち着いた行動がとれたような気がしています。
 飯田氏の著作は、”はまる”と一気に読めてしまう不思議な本ですが、こちらでセミナー(無料)を聞いてから読むとよりよいかもしれません。

 ここで、飯田氏の別の著書「人生の価値」(p.272)から引用させて戴くと、
「人生では、自分に解けない問題は、何ひとつ用意してありません。人生で出会う大きな試練は、自分で自分に与えたのですから、手を伸ばせば必ず届く、ちょうど良いレベルの問題ばかりです。(中略)どうか、それほど困難な問題に挑戦している自分に誇りを持って、自分にならば絶対に解けるのだという信念を忘れずに、その問題に挑戦してくださいね。」
 この発想法に従って、私が生意気にも一言、貴方にいわせて戴くのならば、勇気を出して、あえて目を背けずにみてください。そして先を見通して行動して下さい。

 ただ、ひとつ気を付けたいのは、患者である方のことを優先するあまり、その方の周囲の方(例えば、患者さんの配偶者)のことを2の次に考えないようにしたいことです。
病気そのものにかかっているのは確かに患者当人ですが、今回の件によるストレスは他のご家族皆様とも同じくらい感じていると思うからです。
 更に忘れてならないのは、あなた自身も他の方と同じくらい感じているのかもしれないということです。

 各人が決して無理をせずにできる範囲で協力し合い、この難局を乗り切るのが理想ですよね。

 分かったようなことばかり言いましてすみません。
自分自身に対して反省しながら、言い聞かせつつ、書いています。
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1-2.近親の者が脳梗塞で倒れました。この先、どういうことを覚悟し、我々としては、何をして置けば良いのでしょうか。

 もちろん、後遺症の程度によって、異なってくると思いますが、一般的な例をあげると、次のようになるかと思います。
1.救急病院(2〜3週間)
 急性期(発症から2〜3週間)を過ぎると、転院を求められる。

2.リハビリ病院(要3ヶ月後転院)
 発症から3ヶ月以内の回復見込み期(本当は、それ以降も回復見込みはあるが現場ではそのように扱ってくれないらしい。)に限り、集中的にリハビリ治療をしてくれる。が、その期間を過ぎると、その時の状態に応じた先へ移ることを余儀なくされる。

3.自宅又は他病院(要3ヶ月毎転院)或いは老人保健施設(入所可能期間:原則3ヶ月)
 自宅復帰がかなえば、介護度に応じて在宅向け介護サービスを利用しながら、定期的に外来診察を受けていく生活が始まることになる。
 各種機関を利用する場合には、原則として3ヶ月毎に移るように促されると覚悟しておく必要がある。

4.特別養護老人ホーム等
 一旦入所できれば、終身入所可能ではあるが、入所まで”数年待ち”状態であることが多い。(これは、2001年頃の体験上の話です。2003年4月より、それまでの”早い者の順”制ではなく、”緊急度の高い順”制という極めて非客観的な入所順位を採用するようになっているらしいので、”緊急度が高い”ことをより強く主張しさえすれば、少しは待ち期間を短くできるのかもしれません。)

 今まさに当事者である皆様にはとても辛い話かとは思いますが、以上を踏まえて、今、何をしておくべきか私なりに整理してみます。

 私は、発症後間もないうちに、医師から「最悪の状態になったときを想定して、行動を起こしてください。」とアドバイスを受けました。それは今でも正しい考え方だと思っています。

 最悪の状態を想定してあらかじめ準備を行っておけば、たとえ万が一そのような状態になったとしても、困る要素も少なくなっていることでしょう。
 そして、結果としてそのような状態よりも良い状態になる分には全く困ることはないからです。

 具体的に挙げるなら、次のようなことになるかと思います。
1.リハビリ病院の選定、申込
 リハビリ病院の選定をしておくべきです。現在の主治医が紹介しようとしている先の候補ももちろん含めて、早々に見学しておいた方が良いように思います。
 主治医が進めた病院で貴方が十分に納得できれば当然よいですが、ダメなようなら、独自に探して、その病院への転院がかなうように入院中の病院の医療相談員や主治医に相談することも可能かと思います。

2.介護度の審査申請
 リハビリ病院後のことを見越して介護度の審査を「とりあえず」でも申請しておいた方が良いと思います。
 リハビリ病院は主治医が進める先を事前に見学する程度に留めるにしても、もしろ、このリハビリ病院後のことを重視した方が良いようにすら思います。
 リハビリ病院での成果が上がり、介護度が変われば、また再審査請求すれば良いだけのことです。
 「とりあえず」でも現時点での介護度の認定が有るか無いかで、リハビリ病院後の流れがスムースに進むか進まないかに大きな違いがあるように思います。
(介護保険制度と各機関がこの数年間で飛躍的な進歩を遂げていれば、私の経験当時とは違う状況となっているかとは思いますが・・・。)

3.リハビリ病院後の病院、老人保健施設、特別養護老人ホーム等の選定、申込
 幸いにして自宅復帰がかなえば、この準備は、不要となりますが、その場合は、事情を説明してキャンセルすれば特に問題は無い筈です。(キャンセル料など取られないと思いますが、念のためそういったことも確認して下さい。)
 ですから、自宅復帰がかなわなかった場合に備えて、円滑に信頼できる機関へ移れるように手を打っておくことが重要かと思います。
 なお、他機関へ移つる場合には、その選定にはくれぐれも注意すべきです。病院のチェックポイントについては、Q3-3の回答をご参照下さい。

 急性期にある最中は、まさに皆様にとっては、”急所”にあるかと思います。
 が、共倒れになってしまっては、かえってご当人に心配をかけてしまうなどマイナス要因が増えて元も子もありません。

 自分で責任を背負い込むことは簡単です。
 が、それらが当事者全員にとって果たして本当に良いことなのかは、かなり怪しいのではと私は思っています。

 周囲にはただ「看病(介護)頑張ってね。」等という言葉で励ましてくれるだけの人が多いかと思います。
 しかしその一方で、「何かできることがあったら連絡してね。」と力を貸してくれる人もきっと僅かでもいるのではないでしょうか?
 そして、利用できそうな公的なサービスを探せば結構良いものもあったりすることにも気が付くのではないでしょうか?(というか、気が付くまで探す!のです。)

 これまでいろいろとたくさんのことを書きましたが、身内はもちろん、他人も含めて巻き込める者は巻き込むなりして、人力をかき集め、この”急所”を乗り越えるように考えてみてください。

 繰り返しますが、早すぎて決して困ることはないと思います。

 私でもそれなりになんとかなった(失敗も多かったですが)ので、自分から動けば、おそらく何方でもなんとかなってしまうものではないでしょうか。
 ただし、私の場合は、なんとかなるまで動いた結果、曲がりなりにもそうなれたということなのかもしれません。だから万が一、私のように苦労しても恨まないで下さいね。(笑)

 余談ですが、かくゆう私は、現在、溜まった通信教育講座の教材に手が付けられず、暗い気持ちになっていたりもします。(笑)
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1-3.離れて住んでいる近親が倒れました。そばについていられなくて申し訳なく思うのですが、どうしようもありません。

 Q1-1でも紹介した本ですが、次の本の224ページには患者の近くに居られなくてもしてあげられる正しい「心の持ち方」が紹介されています。

 CD付き[新版]生きがいの本質
  --- いつまでも、いつでも一緒 ---
  飯田史彦著 (PHP研究所) ISBN 4-569-63655-1

 内容を端的に説明しても良いのですが、そうすると極めて「非科学的」な内容ととられてしまい、結果として関心を示して戴けないことになりかねないため、こちらでは控えさせて戴きます。どうか原文をご一読戴ければと思います。
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